家族葬という言葉
今や、ご葬儀の8割強が「家族葬」です(当社の場合)。
ところで、家族葬って、いったい何なのでしょう?
ふつうに使っている家族葬という言葉ですが、実は定義ははっきりしません。
「うちは家族葬だから……」と言いながらも、親しいご友人が弔問に見えたり、会社関係の方がお見えになるケースも少なくありません。
一方で、家族葬という言葉を重視して、血縁関係者以外は絶対に呼ばない、というスタンスを取る方もいらっしゃいます。

長年、葬儀業界に身を置く者としては、正直にいうと「昔となんにも変わっていないんだけどなぁ」という感想を持ちます。
そうです、実は、「家族葬」だからといって、何か特別なことがあるわけではないのです。
家族葬という言葉が一般に定着したのは2000年代になってからと言われています。現場に身を置く我々の肌感覚でも、お打ち合わせ時にふつうに「家族葬にしたいのですが…」とご相談いただくようになったのはこの10年くらいの感じがします。
では、家族葬という言葉ができたことによって何か変わったか――と聞かれると、実は、特に思い浮かぶものはありません。
一般葬として施行したご葬儀でも、ご家族・血縁者のみだったケースは多数ありますし、こぢんまりしたご葬儀は珍しくありませんでした。
家族葬という言葉が一般化したからといって、何かが安くなったり、新たなサービスが生まれたわけではないのです。

事前相談などでお話ししていると、「家族葬だから安い」と思い込んでいる方が多いことに気づくのですが、ご葬儀でかかる基本的な料金――祭壇、ご遺影、仏具、会場代、お料理等々は変わりません。
あまり言葉にとらわれず、ぜひご自分たちにいちばん合ったご葬儀をご検討ください。
どんな葬儀が自分たちに合っているのか――それについては、事前のご相談がお勧めです。現場経験豊富なプロが一つひとつ丁寧にお聞きしていきますので、「どんなことから考えればよいか分からない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。